umikaki diary

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携帯キャリア大手の新料金プランが発表! 各キャリアの大容量プランを比較検討してみる

皆様、新年あけましておめでとうございます。

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、2021年がスタートしました。昨年は7年半続いた政権が変わり、「携帯電話料金値下げ」を肝いり政策とする菅義偉氏が内閣総理大臣に就任、そして新たに就任した武田良太総務大臣を筆頭に、高止まりが続いていた携帯電話料金について大きく変革を迫るなど、携帯電話業界にとっては大きな転換点を迎える年となりました。

東証一部上場のNTTドコモがNTT(持株)の完全子会社となり、社長も吉澤和弘氏から井伊基之氏に交代、そして昨年末には20GB/月使えて2980円(税抜)/月という、オンライン契約専用の「ahamo」という料金プランが出されたことを受け、業界がざわつくような状況となりました。

「ahamo」という今までの料金プランとは違う格安プランがドコモから出た後、各キャリアもこぞって新料金プランを発表。ドコモに続いてソフトバンクが「SoftBank on LINE」を、そして今日、KDDIが「povo」を発表したことによって、各携帯キャリアの格安プランが出そろいました。

また、既存からある20GBを超える大容量プランについても併せて改訂され、携帯電話料金は従来のプランに比べて値下がりする形となっています。

今回は、各キャリアから出された大容量プランに絞って、どのキャリアがいいのか、比較検討していきたいと思います。

結局は横並びになった月額料金

まずはじめに、各キャリアから出された(サブブランドを除く)料金プランについて、表にまとめましたのでご覧ください。

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各キャリア(サブブランド除く)の料金プラン

※記事執筆時点、価格は税抜です。

上記表を見て分かるとおり、各キャリアとも月額料金についてはほぼ変わらず、結局は横並びになった(ならざるを得なかった)形です。唯一、ドコモの5Gプランに関しては、他社よりも70円高くなっています。

料金ではなくデータ通信の条件で見ていく

各社横並びの料金になっているので、比較検討する際は月額料金ではなくデータ通信の提供条件で見ていくことが重要です。

上記表で赤太字にした部分が、今回比較検討していくところで重要なポイントになってきます。

まず、KDDI(au)、SoftBankの大容量プランですが、こちらは(KDDIはプラン名は違うものの)4G/5Gで同じ内容、同じ料金となっています。一方ドコモは4Gプランの方が5Gプランよりも100円安いものの、5Gは無制限なのに対して4Gは月間データ容量が60GBとなっています。

KDDIソフトバンクテザリングに容量制限あり

スマホWiFiルータとして使用できるテザリング機能ですが、こちらはドコモの5Gプランには容量に制限がないものの、KDDIソフトバンクは月間データ容量が30GBとなっています。

KDDIソフトバンクSIMカードを本体に挿し、本体から直接通信する場合は容量無制限となっていますが、テザリング機能を使った通信(テザリング子機の通信)は、1ヶ月に30GB以上通信すると速度制限がかかります。速度制限後、KDDIの場合は128kbpsとなりますが、ソフトバンクの場合は速度制限後の速度は本日(2021年1月13日)時点ではまだ公表されていません。

KDDIにはデータMAX 4G LTE / 5Gであった動画サイト速度制限が継続

KDDIが現行で出している「データMAX 4G LTE / 5G」というプランには、月間通信容量は無制限だが、動画サイトにアクセスすると通信速度が制限されるというものがあります。今回、新料金プランを発表するにあたり、この部分に何らかの変更が加えられるかと思っていましたが、この部分は変わらず、新料金プランであっても動画サイトへの通信速度制限は継続する形となりました。

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au公式サイトにも動画サイト速度制限の旨記載あり

今回の新料金プランで、速度制限後の通信速度がどれくらいになるのかは公表していないため分かりませんが、現行のデータMAX 5Gでは、制限後は下記のような通信速度となっているようです。

ちなみに私が現在契約しているデータMAX 4G LTEでは、動画サイトの速度は約3.7Mbpsとなっており、この速度ではFHDで動画を視聴することは困難です。

ドコモの新プランに速度制限はあるのか

NTTドコモが現在提供している「5Gギガホ」は、当初月間データ容量が100GBというプランでした。しかし、提供開始から期間未定のキャンペーンと題して、月間データ容量が無制限となっています。

ドコモの新プランが2021年4月1日から受付開始するのに合わせて、この5Gギガホは受け付け終了しますが、このキャンペーンに関しては継続するようです。

さて、ドコモのデータ容量無制限には例外があるのかという点ですが、現行の5Gギガホのキャンペーンにおいて、通常の使い方(スマホで通信する)であれば速度制限がかかるようなことはないようです。ただし、携帯電話回線の下に何台も端末を接続し、固定回線のように用いると速度制限がかかるようです。

5Gは大容量、低遅延、多接続が特徴とされていますが、5Gの整備がまだ道半ばという現状では、固定回線代わりに何台も端末を接続するというような使い方をするのは厳しそうです。

ドコモの新プランにおいては、下記のような注意書きが書かれており、上記のような速度制限は存在するものと思います。ただし、KDDIのような「動画サイトを閲覧したら一律速度制限」みたいなことはなさそうです。

ネットワークの混雑状況によって、通信が遅くなる、または接続しづらくなることがあります。また、当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。なお、一定時間内または1接続で大量のデータ通信があった場合、長時間接続した場合、一定時間内に連続で接続した場合は、その通信が中断されることがあります。 

ソフトバンクの「時間帯速度制限」とは?

ソフトバンクの新プランには「時間帯により速度制御あり」との文言が記載されています。この「時間帯」がどんなものを指すのかは詳細が記載されていないため不明です。おそらく平日昼の時間帯(MVNOの通信速度が遅くなる時間帯)、夜間帯等で速度制限がかかるものと思いますが、どの時間にどの程度速度制限がかかるかは詳細が出ていないため分かりません。ソフトバンクの情報を待ちたいと思います。

速度制限の厳しさはバックボーンネットワークの貧弱さ次第?

さて、ここまで大手3社の通信速度制限について見てきました。ここからは勝手な考察ですが、なぜ通信キャリアが速度制限をかけるのかについては、表向きは「通信、電波を公平に使用するため」とされています。

しかし、公平に使用するために通信速度を制限される事態になるということは、使用している基地局や、さらにはバックボーンネットワークが貧弱であるということも言えるかと思います。

設備投資の少ないMVNOでは、平日昼の通信が集中する時間帯には輻輳が発生し、通信速度が大幅に低下する状態が毎日のように発生しています。これは、MVNOの設備と大手キャリアの設備の接続点の帯域が供給量に対して大幅に不足しているからですが、これを増やそうとするとコストがかかり、利益を得るためには格安SIMの料金を上げざるを得なくなってしまいます。

NTTドコモを含む大手キャリアは、基地局からインターネット通信する際に必要な光回線を、全国に莫大なネットワークを持つNTT東西から借りている状態となっています。当然ながら帯域を確保するためにはNTT東西に対して料金を支払う必要が出てきますが、ここで問題になってくるのはNTTドコモはNTTの完全子会社となっていることです。

昨年、NTTドコモがNTTの完全子会社を発表した際、ドコモ以外の通信事業者から総務大臣に対して「NTT持株によるNTTドコモ完全子会社化に係る意見申出書」を提出したと発表がありました。

KDDIソフトバンクといったキャリアは、NTTとは完全に別会社であることから、しかるべき内容の通信料金を払っているものと推測されています。一方、NTTドコモとNTT東西に関しては同じNTTグループであることから、光回線の供給にたいして優遇されているのではないかという内容です。 

現に、KDDIソフトバンクの料金プランは、通信容量こそ表向きは「無制限」と謳っていますが、実際はテザリングという大量通信に対しては月間30GBまで、そしてKDDIに関しては動画サイトの閲覧についても速度制限をかけていることから、通信設備が大容量通信に耐えきれない状態のために速度制限を設けていると捉えることも可能です。

一方、NTTドコモに関しては、超大容量通信に関しては速度制限を設けているものの、テザリングや動画サイト閲覧に関しては速度制限を設けていません。これは、NTTという超巨大なバックボーンネットワークを持つNTTグループに属しているからこそ実現できたという捉え方も可能です。

いずれにしろ、NTTドコモがNTT(持ち株)の完全子会社となったことにより、NTTの超巨大なバックボーンネットワークを、ほかの大手通信事業者よりも柔軟に活用できることになるのは変わらない現実だと考えています。

通信速度を気にせず使うのであれば「5Gギガホ プレミア」一択

各社横並びの料金や、上述した通信速度制限を考慮すると、KDDIソフトバンクよりも70円/月高くなるものの、NTTドコモの「5Gギガホ プレミア」がおすすめとなりそうです。

KDDIソフトバンクは5Gのエリア展開について、既存のLTE周波数を転用する形での構築も始めていますが、700MHzといった低い周波数に関しては、そもそも帯域が狭いため、超高速通信は実現できません。あくまで5Gで通信が可能になるというだけであって、「なんちゃって5G」と揶揄される事態になっています。

一方、NTTドコモに関しては、「瞬足5G」と題して、あくまで5G専用に割り当てられた3.7MHz、4.5MHz、28GHzというかなり高い周波数帯を用いて5Gエリアを構築しようとしています。これらの周波数帯は電波の直進性がかなり高く、ちょっとでも障害物があると電波を拾えなくなるというデメリットはあるものの、5Gの特徴である「超高速通信」を最大限活用できるメリットも存在します。

現在ドコモはSub6と呼ばれる3.7MHz、4.5MHz帯の電波の面展開を始めておりKDDIソフトバンクよりも展開速度は劣るものの、基地局の台数を増やすことによって、高い周波数帯でも確実に構築を進めています。

このことからも、通信速度を最大限活用し、なおかつ速度制限の条件が一番緩いNTTドコモの新プラン「5Gギガホ プレミア」がおすすめと言えそうです。

通信キャリアに言いたいこと

今回、大容量プランを比較検討するにあたって一番気になったのは、各キャリアとも速度制限の条件や制限後の速度について曖昧な記載が目立つことでした。

各キャリアとも大容量プランが月間通信容量無制限となるなか、「どれだけ通信したら速度制限がかかり、制限後はどれほどの速度になるのか」についての具体的な言及がありませんでした。

利用するユーザの視点からすれば、具体的な制限について記載頂いた方が、「これ以上通信したら速度制限がかかるので控えめにしよう」という意識が生まれると思うのですが、その記載がない以上、「どれだけ通信したら速度制限がかかるのか分からない」、「普通に使っていると思ったら突然通信速度が遅くなった」、「無制限と書いてあるのになぜ速度制限するのか」という声も出てくると思います(というか、すでに出ています)。

また、「通信容量無制限」と謳いながら速度制限をかけることは、景品表示法優良誤認に当たる恐れがあります。過去に、UQコミュニケーションズ社が提供するUQ WiMAXにおいて、「通信容量無制限」と謳いながら速度制限をかけたことによって、景品表示法の優良誤認に当たるとして、UQコミュニケーションズ社に対して賠償命令が出されたこともありました。

利用者としては、契約する際に必ず注意事項に目を通すこと、分からないこと、曖昧な説明をされた際には必ず聞き返すことを徹底することが必要です。

現在、総務省消費者庁と連携して、キャリア代理店でスマートフォンを購入する際にかかってくる頭金について注意喚起を行っていますが、こういう「通信速度制限の曖昧な説明」に対しても指導を行ってもらいたいと思います。

キャリアに対しては「具体的な通信速度制限の条件を提示」すること、できなければ「どれくらいで通信速度の制限がかかるのかを詳しく提示」することを求めていきたいと思います。